西洋古典学への誘い

藤井崇:西洋古典学の研究支援サイト(第2回)

 今日は経済的基盤の話をしましょう。わたしが学部時代に知り合った大先輩は、文学部で生きていくための格言を教えてくれました。「一に語学、二に語学、三、四がなくて、五に経済力」。今なら2番目あたりに大急ぎで「体力」や「巡り合わせ」を付け加えるところですが、まわりの状況をみたり今までのわずかばかりの経験から判断する限り、この格言の基本的な正しさを認めざるを得ません。わたしたちの世界には、語学の巨人が大勢おられますので、今回は語学の話ではなく、「経済力」、お金に関するウェブサイトを紹介しようと思います。幸か不幸か、西洋古典学は直接的にお金を生み出す学問ではありません。西洋古典学を勉強しながらいかに(時には留学を含む)長い学生・ポスドク生活を耐え抜くか、また大学に職を得てからはいかに研究費を獲得するか。これは、西洋古典学のみならずいまや人文学全体にとって深刻な問題となっています。今回は、わたし自身が見聞した限りになりますが、西洋古典学徒からの応募に応えてくれそうな奨学金・研究費のサイトを紹介したいと思います。ちなみに、みなさんがすでによくご存知の日本学術振興会関係のものは省いてあります。

留学奨学金(院生・ポスドク。教員の研究滞在支援も含む)

日本学生支援機構: http://www.jasso.go.jp/study_a/pamphlet_j.html
この「海外留学奨学金パンフレット」から、院生・ポスドクを対象とする、日本政府の奨学金、外国政府の奨学金、民間団体の奨学金の概要を把握することができる。所属大学の事務を通じた応募という形式も多い。

Job.ac.uk: http://www.jobs.ac.uk/
イギリスを中心とした学術就職情報サイトだが、イギリス、欧州、北米での滞在を考える院生・ポスドク対象の奨学金情報も多い。Classics、Ancient History 等々のキーワードで検索するとよい。

H-Soz-u-Kult Twitter: https://twitter.com/hsozkultservice
ドイツを中心に、イギリス、欧州、北米での滞在を考える院生・ポスドクの奨学金情報が豊富。

Mommsen Gesellschaft: http://www.mommsen-gesellschaft.de/index.php
ドイツ語圏を中心に、イギリス、欧州、北米での滞在を考える院生・ポスドクのための奨学金情報。ちなみに学会開催情報も豊富。

Marie Curie Fellowship: http://ec.europa.eu/research/mariecurieactions/
EUでのポスドクならびに教員の研究滞在を支援。非EU市民でも申請できるカテゴリーがある。

European Institutes for Advanced Study Fellowship: http://www.2014-2015.eurias-fp.eu/
欧州の研究型大学でのポスドクならびに教員の研究滞在を支援。

Canon Foundation in Europe: http://www.canonfoundation.org/index.html
欧州でのポスドクならびに若手教員の研究滞在を支援。

Newton International Fellowship: http://www.newtonfellowships.org/
イギリスの大学でのポスドク研究滞在のための資金援助。

British Academy: http://www.britac.ac.uk/funding/guide/pdfells.cfm
イギリスの大学でのポスドク研究滞在のための資金援助。イギリスの大学での学位取得や事前のアタッチメントなどが必要。

Alexander von Humboldt Stiftung: http://www.humboldt-foundation.de/web/start.html
ドイツでのポスドクならびに若手教員の研究滞在を支援。ベテラン教員を支援するForschungspreisもあり。

Kommission für Alte Geschichte und Epigraphik, DAI München
古代史分野を研究する院生の短期の研究滞在(ミュンヘン)を支援。

Onasis Foundation:http://www.onassis.gr/
ギリシアでのポスドクならびに教員の研究滞在を支援。

Institute for the Study of the Ancient World, New York University: http://isaw.nyu.edu/
ポスドクならびに教員の研究滞在のためのポストがある。

Seeger Center for Hellenic Studies, Princeton University:
http://www.princeton.edu/hellenic/fellowships/
ポスドクならびに教員の研究滞在(ギリシア学)を支援。

The Center for Hellenic Studies, Harvard University: http://chs.harvard.edu/
ポスドクならびに教員の研究滞在(古代ギリシア学)を支援。

Center for Epigraphical and Palaeographical Studies, Ohio State University:
http://epigraphy.osu.edu/fellowships
銘文学、古文書学のための短期の研究滞在(ポスドク・若手教員)を支援。

研究費(院生・ポスドク・教員)

助成財団センター: http://www.jfc.or.jp/
民間助成金ガイドで、研究費(留学奨学金や学会開催費を含む)を支援する民間団体を検索できる。

稲森財団: http://www.inamori-f.or.jp/
教員による研究プロジェクトへの資金援助。

サントリー文化財団: http://www.suntory.co.jp/sfnd/index.html
院生・ポスドク・教員による研究プロジェクトへの資金援助。

三菱財団: http://www.mitsubishi-zaidan.jp/
教員による研究プロジェクトへの資金援助。

日本科学協会: http://www.jss.or.jp/
院生・ポスドク・若手教員による研究プロジェクトへの資金援助。

松下幸之助財団: http://matsushita-konosuke-zaidan.or.jp/index.html
院生・ポスドク・若手教員による研究プロジェクトへの資金援助。

三島海雲記念財団: http://www.mishima-kaiun.or.jp/
院生・ポスドク・教員による研究プロジェクト(アジアが関係する研究)への資金援助。

European Research Council: http://erc.europa.eu/
EUでおこなう大型研究プロジェクトへの資金援助。

Gerda Henkel Stiftung: https://www.gerda-henkel-stiftung.de/
ドイツを拠点とする歴史研究支援の財団で、(おそらく滞在国を選ばない)研究プロジェクトへの資金援助あり(ポスドク・教員)。

Leventis Foundation: http://www.leventisscholarships.org/index.aspx
院生の研究プロジェクトへの資金援助。おそらく滞在国は問わない(要確認)。

藤井崇